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ボディコーティングのお話

第一章 ボディコーティングを考える
第二章 現代のボディコーティング
第三章 理想のボディコーティング
第四章 コーティングの施工手順とは
第五章 コーティングの裏話
第六章 上手なコーティングとの付き合い方
第七章 次世代のボディコーティング
第八章 コーティングの選び方

ボディコーティングを考える

 まず初めに、「ボディコーティング」とは何かという事をお話しておきたいと思います。

 そもそも車には、「塗装」というものが施されていますが、この「塗装」には、車に「美観」というものを与える目的と、車を「保護」する目的があります。その目的のひとつである「美観」は、車に個性や美しさを与え、長期間に亘ってそれを存続させる事が出来ます。又、「保護」には、主に金属で作られている車をサビ等から守り、長期間に亘って形状を維持させることが出来ます。実は、この「塗装」も「ボディコーティング」のひとつであることを認識してください。

 では、巷で言われている「ボディコーティング」は、いったいどういうものなのでしょう。単純に言えば、塗装を守るものを「コーティング」といっておりますが、もっと深く掘り下げて説明させていただこうと思います。

 近年の環境悪化は非常に深刻な状態で、酸性雨や腐食性ガス等、車に限らず人体や自然にとっても、悪い影響を及ぼす状態にあります。 では、車に対して、この悪環境がどういう影響をあたえるのでしょうか?

 まず、空気中に浮遊したり、風などで巻き上げられる、「チリ」「ホコリ」と呼ばれている物は、総称で呼ばれているだけで、様々な物質がその中に含まれています。例えば、車の排気ガスに含まれる、「スス」と呼ばれている物もそのひとつです。 車は、ガソリンを燃焼し、その爆発エネルギーで動かしていますが、ガソリンは有機物質と呼ばれているもので、これを燃焼すると無機物質へと変化します。

 有機物質とは、簡単に説明すると形(分子的形状)が変わるものをいい、無機物質とは、形(分子的形状)が変わらないものをいいます。例を挙げると、食物は、時間と共に腐ったりして形を変えるので、有機物質。ガラスは、何年経とうがガラスのままなので無機物質です。

 話を戻しますと、ガソリンを燃焼させて排出された無機物質は、そのままの形で大気中に浮遊しているわけです。この、排出された無機物質がのちに悪者になっていきます。 実は、排出された無機物質は、塗装にとって悪い影響を与える「酸性」の特性を持っています。 それにより、塗装表面に蓄積された無機質の酸性物質は、徐々に塗装を犯していき、ウォータースポットや雨染み等の塗装被害をもたらします。

 一般的にウォータースポットは、水玉のレンズ効果で塗装を焼き、円状のクレーターを作るとされていますが、実はそれだけが原因ではないのです。ウォータースポットの初期段階は、雨染み(円状の浅い染み)で、極めて浅いクレーターを作成するだけで、軽度の研磨で除去できる程度なのです。実は、雨の中に含まれる無機質の酸性物質が、雨染みとして塗装に焼き付けられ、徐々に塗装を溶かしていき、深いクレーターを作成します。これがウォータースポットと呼ばれるものです。

 では、こういった塗装被害からどうすれば車を守れるのでしょうか。実は、非常に簡単な事で、メンテナンスをこまめに行うということです。ホコリが乗ったら、ほこりを払う。汚れたら洗う。ただ、これだけで塗装被害から車を守れるのです。

 しかし、その裏には色々な問題があります。メンテナンスを行う時間と労力。場所・道具等の問題と塗装への影響です。ほこりを払ったり、洗車をする時間や労力がすぐにでも得られるのであればいいのですが、大半の方がそんな時間をもてないのが現状です。又、メンテナンスを行う場所や道具も、最適な場所や物が選べるものでもありませんし、最適な物を使っても入るスリキズの問題も見逃すことは出来ません。

 我が日本では、四季というものがあり、清潔好きな国民性が存在します。  春から初夏にかけては、樹液が塗装に降りかかり、梅雨には酸性雨が降り、夏にはウォータースポットや虫が付きやすく、冬には雪が降り積もります。そして、毎日のように酸化した無機物質が降り積もっているのです。こういった環境の中で、日々のメンテナンスを行うことは不可能に近いものがあると思われます。

 最低でも百万円はする車をこういった環境の中で美しく維持するために、現代に必要不可欠なものがコーティングと呼ばれているものです。定期的なメンテナンスで長期間美しさを維持できる、実用的なアイテムがコーティングなのです。


現代のボディコーティング

 効率を重んじるアメリカで開発されたコーティングは、日本に輸入され、独自の発展を繰り返してきました。
勤勉で清潔好きな日本人は、アメリカで開発されたコーティングでは物足りなさを感じ、様々な方法を模索しながら、様々なアフターケア商品を開発してきました。

 カーショップなどで売られているワックスやワックス系コーティング剤。プロが使用するコーティング剤や最近注目されているガラス系コーティング剤等、塗装を保護する目的の、アフターケア製品が多く出回っています。中には、プロが使うコーティング剤もインターネットなどで安易に手に入るようになってきました。実は、塗装保護を目的としたアフターケア製品はすべて「コーティング」と呼べるものですが、特徴があり、全てに同等の性能があるとは言えません。

 ワックスや、ワックス系コーティング剤は、分子間の結合が弱く、熱や酸等の薬品によって結合が破壊されます。当然、保護能力も弱いので、雨染みやウォータースポット等の塗装被害の影響も受けやすくなります。又、ほとんどのプロ用コーティング剤にも、ロウ等ワックスに含まれている有機物を配合しているため、ワックスよりも分子結合が強い分、汚れや塗装被害は起こりにくいのですが、皮膜の酸化劣化等、経年変化による性能の著しい低下が起こります。こういった問題を克服すべく登場したのが、ガラス系コーティング剤です。 このコーティングは、無機質であるガラスの皮膜を塗装表面に形成するもので、経年変化に強く、長期間の保護能力の維持が可能になりました。

 しかし、ガラス系のコーティングをすれば、塗装被害から車を完全に守れるというものでは在りません。先の項でも説明しましたが、基本は早い段階でのメンテナンスが必要になります。 にもかかわらず、「コーティングをすれば洗わなくてもいい」「水洗いだけでいい」などと聞かれた事はありませんか?これは、売り手の説明不足や過大広告によって発生した誤解です。このコーナーでは、こういった誤解を正す為に存在しますので、これからその誤解を解いていこうと思います。

 まず、「コーティングをすれば洗わなくてもいい」という誤解ですが、これは完全に売り手の説明不足です。洗わずにきれいな状態を維持できるものがあるとすれば、それは、ノーベル賞ものの大発明でしょう。 実は、車は電気の塊で、ホコリ等を自ら寄せ付けてしまう性質を持っています。 ホコリが乗っている状態で、酸性化した雨が降ると想像するだけで、汚れていくのがお分かりになられると思います。しかし、コーティング施工をして間が無い状態では、雨でキレイになる現象を良く見ます。 これは、コーティング表面が非常になだらかな状態で、雨の水分でホコリや汚れなどが流されてしまうため、こういった現象が起こります。しかし、コーティング表面がなだらかといっても、微細な凸凹が存在します。 実は、コーティング施工後の間が無い状態は、この凸凹に汚れが溜まりきっていないだけで、汚れはしっかりと残っているのです。微細な凸凹の中の汚れが見えないのでキレイになったように錯覚していますが、この凸凹に汚れが溜まりきると、はっきりと目視できる汚れが見えてきます。こうなってしまうと、洗車をしなければ汚れは取れないのですが、水洗いだけでは汚れは落ち切りません。

 もう一つの「水洗いだけでいい」という誤解はここで発生します。コーティング施工後の間が無い状態は、微細な凸凹の中の汚れも、洗車をすることで簡単に落とせます。これは、水道水に含まれる塩素などの物質が、単純な汚れを分解するからです。しかし、洗車をする事で入る微細な「洗車傷」が、凸凹をより多く、深く、大きくする事で、どんどんと汚れが溜まりやすく、取れにくくしていくのです。

 では、なぜ「洗車傷」が入るのでしょうか。地球上には、「摩擦」という物理的な現象が存在します。大気中に浮遊するホコリ等や、洗車道具によってコーティング表面上でヤスリのような状態を作ってしまい、それを動かすことで「傷」が入ってしまいます。 「傷が入る」ということは、コーティング表面を「削る」ということになりますので、どんどんとコーティング膜を削り、効果はどんどんとなくなります。

 こういった現状を打開するには、洗浄力の高いシャンプーを使用する事になります。水では落ちない油汚れも洗浄力の高いシャンプーで簡単に落とし、シャンプーの粘り気で摩擦を減らせば、洗車傷は入りにくくなります。

 ここまでの説明があって、初めてコーティングを上手にお使いいただける環境が整います。しかし、ここで一つの疑問をお持ちになられる方もいらっしゃると思います。「そこまでしなければいけないのであれば、別にコーティングなんて必要ないやん」と…さすがに私も言葉を失います。「また1から説明しないと…」。まぁ、十年近くこんな説明をしていたらよくあることなのですが…ここは、がんばって説明しないと!

 コーティング表面で起こる事は塗装表面でも起こることです。もし、コーティングをしていなかったら…。塗装に直接出来たウォータースポットは、徐々にその深さを増し、酸性雨等で塗装表面を溶かし、熱などで小さなクレーター(ピンホール)が発生し、最終的には、塗装のツヤが無くなり研磨しても戻らなくなってしまいます。  「百万円以上するものに美しさが無い…」…ごめんなさい。僕には考えられないです。一度、研磨しても戻らない状態になってしまうと、再塗装しないと美しさは戻りません。そうならない為に、コーティングが存在します。

理想のボディコーティング

 ここでは、私がこんなコーティングがあれば…ビルが建つのに…ってなお話をするのではなく、私が考える現代の環境にマッチするコーティング剤の定義と、ユーザーの方が望むコーティングの接点を見極めるお話をしたいと思います。
 私自身、社内からは「病気」と呼ばれています。洗車の回数、洗車の要点など、他のスタッフから見れば病気のように見えるらしいです(笑)この業界に足を踏み入れる前は、洗車オタクでした。当然のように雨が上がると夜中であっても洗車をしにコイン洗車場に行き、ホコリが気になると洗車場に行き、デートの前もデートの場所も洗車場が多かったです。まぁ、今思えばやっぱり病気ですね(笑)当然、あの頃は今の視点と違いましたし、わからなかったことも多かったです。
 で、ここからが本題です。じゃぁ、なぜそれほどまでに洗車をしに洗車場に行っていたのか…ここにユーザーの方が思う、コーティングとの接点があるように思えました。私が当時乗っていた車は、白い色の車と黒い色の車でしたが、共に同じような行動をとっていました。白系の車に乗っていたときは、水垢をすごく気にしていましたので、水垢が付く前に洗車をしていました。そして、黒系の車を乗っているときは、ホコリや雨が降ったあとの白っぽく見える汚れを気にしていましたので、雨が上がるとすぐに洗車をしていました。しかし、双方共に一番うれしかったことは、洗車をした後のキレイな状態と、雨が降ったときの水弾きにあったと思います。当時、勤めていた会社の先輩や、知り合いなどから「ワックス効いてんなぁー」「いつもキレイやなぁー」って言われることがうれしかったのでしょうね。あー…若いっていいですね…今はそんなペースで洗車は出来ないです(笑) 誰しも褒められるとうれしいもので、ユーザーの方もそうではないかと考えました。
 ここで一旦話は変わって…プロ用コーティングも様々なものがあります。水が弾くタイプもあれば、弾かないものもあります。ポリマーと呼ばれるものもあれば、ガラス系と呼ばれるものまで大変な数がありますが、現在では大きく分けて3つに分類できます。一つは昔ながらのポリマーコーティングと呼ばれるものです。これは、ポリマー樹脂と呼ばれるものを原料に、テフロンを配合されたものが主流で、すべすべな手触りと、ギラッとした光沢が特徴です。施工性もよく、安価で提供出来る事から、一般的に良く知られるようになりました。しかし、ロウ成分が含まれている為、経年変化に弱く、1年毎のプロのメンテナンスや、再施工が必要となってきます。そして、もう一つが現在主流になっている、ガラス系の皮膜を作るものです。これは、無機質の皮膜を形成する為、経年変化に強く、分子の結合が非常に強いため、酸等の薬品にも強く、非常に硬い皮膜になるので、スリキズも付きにくい理想的なコーティングです。ただし、特殊技術が必要とされる為、施工性も悪く、高額になってしまいます。こういったコーティングにも様々なブランドがあります。「半永久」だとか「ノーメンテナンス」とか…あははは(笑)…ありえないですね。何に対して半永久持続するのか...効果?皮膜?どんな状態で? 洗車もせずにキレイになるの?メンテナンスとは?私でも様々な疑問があります。こういったガラス系コーティングは、主に「親水タイプ」と言われている物がほとんどです。.
 この「親水タイプ」とは、水が弾かないタイプで、雨が降るとベターっと水の膜が出来、ウォータースポットや雨染みが付きにくいタイプのコーティング剤で、現在のガラス系といえば、「親水タイプ」の事を言います。しかし、このコーティングにも欠点があります。親水という現象は、水の表面張力が発生しにくい現象のことを言い、主に何も付着していないガラスがその状態にあります。車のガラスや家のガラスも例外ではありません。では、車や家のガラスは、今、親水ですか?ほとんどの車や家のガラスは最初は親水ですが、徐々に弾き出していきます。解りやすく言うと、車のガラスに付着する「油膜」がその原因になります。これは、車に塗ったワックスが原因でもあるのですが、雨の中に含まれる硫酸塩という成分が膜を形成し、水を弾かせてしまうのです。では、車のガラスに発生するものは、ボディ表面に発生しないのでしょうか?ガラス系のコーティング剤は、ガラスと同成分の皮膜を薄く形成するため、当然同じような現象が起こります。それを防ぐために、専用のシャンプーやメンテナンス剤を添付する動きが最近見られだしました。最後の一つが、同じガラス系でも、水が弾くタイプの物が最近出始めてきました。ワックスよりも水が弾き、ガラス系の利点を持った次世代のコーティング剤です。
 ここでお話を戻します。私が考えるユーザーの方の求めるコーティングの接点は、ワックスのように水が弾いて、いつもキレイでいられる物です。気づかれましたか?。そうです。私が考えるユーザーの方が求めるコーティング剤に非常に近いものが登場したのです。当然、洗車も必要ですし、定期的なメンテナンスを行うことがよりよい状態を維持できるのですが、反対に弱点もあります。ウォータースポットや雨染みの問題です。この問題がクリアにならない限り、理想のコーティングとは言えないでしょう。誤解が発生する種です。


コーティングの施工手順とは?

 コーティングの施工方法にも様々な方法があります。新車で塗装の状態がいいものは、簡単な下地処理を経てコーティングを塗り込んだり、既販車や中古車などの場合、しっかりと下地処理をしたりと、その方法も工程も様々です。ただし、はっきりしていることは、コーティングの持続力や美しさの持続は下地処理で決まるということです。例えば、家の建築でも同じことで、基礎工事がしっかりしていないと、当然家は傾いていきます。
 問題は、下地をどこまで作るかということです。既販車や中古車などの場合ですと、当然長年の洗車傷やこびりついた汚れがありますし、様々なワックス等の塗装保護剤も塗られています。そういったものを除去し、滑らかな塗装表面を作り上げることがガラス系のコーティング剤を塗る為にはシビアに必要とされます。
 下地処理を行う際に、コンパウンドと呼ばれる研磨剤とバフ・ポリッシャーと呼ばれる研磨道具を使って行いますが、非常に技術を要します。ポリッシャーの回転速度や角度。回転抵抗の大きさやバフの硬さ。コンパウンドの粒子や粘り等、様々な要素を塗装の硬さや状況に応じて最適なマッチングをチョイスします。これには、経験と技術が必要で、全てのプロが同じ技術を持っているとは限りません。
 私自身こだわりな性格なので、夜中までポリッシャーを握っていたことも多々ありましたし、片手でホースを持ち片手でポリッシャーを持ち、水をかけながら磨いたりと、奇想天外な方法を試したりしながら技術を身につけてきました。そういった中で導き出された理論を様々な使用環境下で使われた車に適応することで、車は想像以上の美しさを持つ事が立証されました。ただし、それには膨大な時間と労力が必要となるため、当然費用もかかってきます。
 一般的にガラス系のコーティングを施工する場合は、コーティングが定着するだけの下地を作ります。スリキズの除去などはある程度のラインで抑えて、原価の高いコーティングを施工します。これは、コーティング剤を吹き付けて施工するため、板金業者で施工されることが多く、そこまでの下地処理技術を必要としないためです。又、標準的なポリマーコーティングは、コンパウンドに含まれるロウ成分がスリキズを隠してしまうため、軽い研磨でもかなり美しくなり、ポリマーコーティングとの相性もいいため、安価で施工できる利点があります。ガソリンスタンド等で出来るようになったのも、コーティング剤は違いますが、こういった背景があるからです。
 新車の段階では、あまり変化の無い下地処理ですが、既販車や中古車などの場合では、大きな違いになります。 是非、既販車や中古車などにコーティング施工を考えていらっしゃるのでしたら、少々金額がかかったとしても、しっかりとした下地処理を入れられることをおすすめします。
 例えば、三年間の汚れやスリキズを除去するとします。塗装表面は三年前の状態に戻るわけですから、現在と同じ現状に戻るには、最低でも3年はかかります。ただし、ガラス系のコーティング剤を施工した場合で、きちんとした洗車やメンテナンスをしていると、もっと長期間が経過しないと現在の状況と同じ状況にはなってきません。逆に、一年程度の復旧しか得られない下地処理だと、ガラス系コーティングをしていたとしても、当然その分短い期間で同じ現状に戻るということになります。

 長い期間で見た場合、しっかりとした下地処理をお求めになられたほうがお得になってきます。

コーティングの裏話

 現在のガラス系コーティングは非常に硬い皮膜を形成します。よくコーティングの硬度は「8H」とか、「9H」とか言われていますが、これは単独で硬化したときの硬さの表示方法で、実際の硬さとは異なります。又、この基準は、ガイドラインがしっかりしていませんので、製造メーカー毎の基準となります。実は、コーティングの皮膜の硬度は、塗装の硬度に準じますので、単独硬度が「8H」や「9H」あったとしても、実際の塗装表面上での硬度は、6割から7割程度までしか上がりません。
 よく、「洗車機OK!」等と記載されている広告を見かけますが、実際の硬度が「8H」や「9H」あったとすると問題が無いと思われます。しかし、現実には指で触るとキズが入る程度の硬度しか持っていないのを見ると過大広告の何者でもないことがわかります。ただ、洗車機の使用を大多数のコーティングが認めていないのにはわけがあります。洗車機は、多数の車が利用するものなのは、みなさん良くご存知だと思われます。1台1台ブラシを交換することも出来ない洗車機は、どんな汚れが付いた車が使用したかもわからず、液体ワックスや強力な洗浄剤を使用していますので、ブラシに付着した汚れやワックスなど、コーティングに悪影響を及ぼす要因が非常に多く存在します。又、洗車機に使用されるブラシや布ブラシは、繊維が非常に硬く、コーティングや塗装面に対して強い衝撃を与えるため、深いスリキズが入ります。こういったことを背景に、洗車機の使用を禁止しているのですが、洗車機の使用を認めるコーティングは、コーティング本来の目的や、理論と現実のギャップを理解できていない知識不足のメーカーが送り出す、非常に危険なコーティングといえます。このような過大広告が増えてきた背景には、コーティング市場が活発化してきたことが上げられます。ブランドイメージの定着や、シェアの獲得競争が激化してきた要因は、国内自動車メーカーの純正コーティングシステムの存在が、一般のユーザーの方まで、コーティングを浸透させてきたからです。では、メーカー純正コーティングとは、どういったものなのでしょうか。
 自動車メーカとして非常に重要とされている点は、「実績」と「アフターサポートの充実」にあります。現在、自動車メーカーに取り入れられているコーティング剤は、十年以上前から存在するコーティングブランドで、私がこの業界に足を踏み入れた時からすでに存在し、コーティング業界の最前線に君臨してきました。しかし、環境の変化と業界の流れにどんどんと取り残されていき、一時期は、ほぼ名前も聞かなくなりました。
 ここで問題になってくるのは、十年前の環境と現在の環境は同じといえるのかということです。当然ワックスよりもまだいいものですので、十年以上前のコーティングだから悪いというわけではなく、現在の環境にマッチしたものかどうかということです。私が考えるコーティングの基準とは、「ユーザーニーズ性」「先見性」「機能性」です。 「実績」にとらわれるのではなく、常に「いい物」へと変化していく「改良型」でないと、環境の変化やユーザーニーズに添えないものへとなってしまいます。 「理論」と「実績」。「テスト」と「改良」。「こだわり」と「技術」。これらを常に意識しながら「進化」していくことが、ユーザーの方に認めていただける物だと考えています

上手なコーティングとの付き合い方

 最近のコーティングは、「1年保証」や「5年保証」等の持続力に対して保証を付けているものが主流です。しかし、「撥水効果」や「防汚効果」等に対してではなく、あくまでも「コーティング皮膜の健全な存在」に対してですが、なぜこのような難しい保証になるのでしょうか。これにはしっかりとした理由があります。
 地球上には「摩擦」という物理的な現象が存在します。洗車をする際に、ボディ表面上でスポンジを動かして汚れを落とすのですが、この「動かす」という動作の段階で「摩擦」が発生します。この「摩擦」が発生すると、コーティング皮膜上に「洗車キズ」「スリキズ」と呼ばれる極浅い傷が入ってしまいます。これは、大気中や塗装表面上に存在するチリやホコリなどを引きずったり、スポンジが硬くなってしまっている時等に入る傷で、どんな方法で洗車しようと必ず入ってきます。この傷が入るという事は、コーティングの皮膜を傷の深さ分削り取っているということになります。当然、傷が増えると、どんどんと皮膜はボロボロになり、「撥水効果」や「防汚効果」等が劣化していきます。物理的に、存続不可能な効果に保証が付けられないのが本音ですが、その効果を出来るだけ長期間維持できるように、最近のコーティング剤は皮膜を硬質化してきています。又、長期間の保証制度を持っているコーティングは、年に一度のプロのメンテナンスを受けて頂く事が、前提です。  ユーザーの方では出来ない付着物の除去などを行い、コーティングの皮膜を再生成することで、長期間の保証が可能になりました。洗車傷が少ないほど、コーティングの性能を維持でき、年に1回のプロによるメンテナンスを受けると、よりイイ形でコーティングを楽しんで頂けることになります。ただし、洗車の方法によっては、この洗車傷を最小限に抑えることが出来、コーティングと上手に付き合うためのポイントになります。
 洗車傷が付きにくい洗車をするとメンテナンスを受けなくてもいいというわけではないのですが、より良い状態を維持できるようになるので、5年の耐久力を持ったコーティングが、メンテナンスも受けることによって、より長期間楽しんでいただけるようになります。当然、「一年保証」のコーティングよりも「5年保証」の方が高額ではありますが、硬質な皮膜を形成しているので、ポリマーコーティングより、洗車傷も付きにくい為、上手に付き合えれば一番お得なコーティングとなっていきます。
 メンテナンスの基本は「洗車」にあります。私が後輩にコーティング施工を指導する場合も、まずは洗車方法を教えます。洗車に使うスポンジ等のツールや洗剤などの役割、効果を理解した上でどういった方法を行うか。これが、全ての基本になります。この基本が出来るようになると、あなたはプロへの第一歩を歩んだ事になります。そして、貴方の愛車も今までよりもキレイな状態が維持できるようになります。

次世代のボディコーティング

 私が、様々なコーティングを見てきた中で、現在最強だと思えるコーティングが、「ダイヤモンドメイク」というコーティングです。このコーティングは、高硬度な皮膜を形成する撥水タイプのガラス系コーティングで、強烈な撥水力が特徴です。全てのモデルに「ガラスコーティング」をベースにし、数種類のフッ素を長年の研究から導き出したベストな配合で同時定着させる事で、「ガラス質の長所」と「フッ素の長所」を併せ持った次世代のコーティングとして登場いたしました。
 通常のガラス系コーティングは、高高度がゆえにユーザーメンテナンスの限界が低く、問題が発生しても、自身では対処がしきれないのが現状でしたが、このコーティングは、ユーザーメンテナンスを簡単に行え、問題も自身で解決できる性能を持っています。私がこのコーティングを知ったのは約七年前なのですが、当時は、施工性も悪く、あまりいいものだとは思っていませんでした。今思えば、これがガラスとフッ素のブレンディング開発の始まりだったと思えます。以後、様々な改良や実車自然対候テストを繰り返し、三年前に姿を現した時は、すごくいい物へ進化していました。「撥水力」「持続力」「施工性」どれをとっても最高で、今もこのときの衝撃を忘れる事はできません。それからの三年間は、よりいいものを開発するために、施工者側の意見を取り入れ、様々な試作品を提供してくれました。
 こういったメーカーの姿勢に共感し、トライアンドエラーで完成した全3モデルのコーティング剤は、メーカーの卓越した努力とブレンディング技術。そして、日本各地の施工店との二人三脚でアイデアを形にしてきた施工技術の結晶であります。その結果として、「ダイヤモンドメイクシリーズ」は、圧倒的な性能を持っていますが、特筆すべき点は、「育てる」コーティングだと言う所です。
 通常時でも最高の性能を持っていますが、専用のメンテナンス剤を使用する事によって、より性能が強化されます。コーティング原液を配合したこのメンテナンス剤は、使う度に極薄の皮膜を形成し、「撥水力」「光沢」を飛躍的に向上させます。使えば使うほど成長していくこのコーティングは、オ^ナーの気持ちひとつで変化する、「生きる」コーティングですが、メンテナンス方法も簡単に行えるように作られています。
 ワックスを塗るよりも簡単で、塗る度にその効果を即座に確認できるため、メンテナンスが楽しくなってくると思います。オーナーの気持ちひとつで変化するこのコーティングこそ、次世代のコーティングと言えるでしょう。

コーティングの選び方

 現在、色々な雑誌や広告等で、様々なコーティングがユーザーの方へアピールしていると思います。私が、接客をする場合、必ず聞く事があります。「コーティングをしてどういうふうになるのを望んでいますか?」 例えば、「キレイな状態を保ちたい」とか、「ワックスが邪魔くさいから楽になりたい」等、様々な希望があると思います。当然その中には、誤解した内容のものもありますが、この「コーティング読本」を読んで頂けると、その誤解も正されると思います。
 まずは、コーティングについてイメージしてください。「こうなればいいなぁ」「こうできればいいなぁ」等、希望や予算をいろいろの広告等を見てイメージしてください。「撥水タイプ」や「親水タイプ」。「ポリマーコーティング」や「ガラス系コーティング」。「1年保証」や「5年保証」等、様々な特徴がある中から、イメージに合ったものをお選びになられるといいと思います。



あとがき

 この「コーティングとは?」はあくまでも私の主観に基づいて作成しております。賛否両論はあろうかと思いますが、これだけは言えます。私は施工者側の人間ですが、実車テストも行っているユーザーの一人であるということです。私の信念は、「お客様の笑顔」です。そして、私自身が「洗車オタク」です。自分自身が「イイ物」と信じたものだけをご提供しています。その為には、様々なコーティングを知り、知識や情報に基づいてテストする必要があります。その中で得た経験や知識、情報を私なりに解釈し、それをこの「コーティングとは?」に書かせていただきました。

 「コーティング」は本当にいいものです。

 自信を持ってお奨めします。
 皆様に本当にイイ物を選んでいただくためにお役に立てれば幸いです。

 良いカーライフ送って頂けることを心からお祈りいたします。